「鰻と梅」の常識を覆す、美食の逆転劇 90年の老舗が挑んだ「紀州南高梅ひつまぶし」
和歌山県田辺市で約90年にわたり暖簾を守り続ける老舗鰻店、太田商店。その歴史の中で生まれた「紀州南高梅ひつまぶし」は、「鰻と梅は食べ合わせが悪い」という古くからの迷信を、真正面から覆すために開発された一品です。脂ののった鰻に梅の酸味は合わない——そう信じられてきた常識に対し、太田商店は「本当にそうだろうか?」という疑問を持ちました。
試作と検証を重ねること3年以上。辿り着いた答えは、鰻と梅は、むしろ最高の相性であるという確信でした。
三年越しで辿り着いた、迷信を美味しさに変える製法
主役となる鰻は、静岡・愛知・徳島・宮崎・鹿児島など、その時々で最良と判断した産地から仕入れる国産鰻のみを使用。職人の手で丁寧に焼き上げ、旨味を閉じ込めた蒲焼に仕上げています。そこに合わせるのが、紀州南高梅。地元農家から仕入れた白干し梅を使い、鰻の秘伝ダレをベースに、かつお梅・こんぶ梅・しそ漬梅(ピューレ)の三種をすべて自社で味付けしています。保存料や着色料は一切使用せず、梅本来の酸味が鰻の脂をやさしく切り、旨味を引き立てる絶妙なバランスを追求しています。
最後の一口まで飽きさせない「五段階の味変体験」
この商品の最大の魅力は、ひとつの丼で完結しない“物語のある食べ方”にあります。まずは、かつお梅と鰻の組み合わせで王道の一口。次に、わさびや刻み海苔を添えて香りとキレをプラス。半分ほど食べ進めたところで、特製出汁を注ぎ、鰻茶漬けとして味わいます。さらに、こんぶ梅を加えることで、旨味と酸味が重なり合う深い余韻へ。最後は、しそ漬梅ピューレを好みのタイミングで足し、自分好みの酸味に調整。一杯の中で味わいが段階的に変化し、最後まで軽やかに食べ切れる設計は、まさに「味のエンターテインメント」です。
鰻と梅がつなぐ、循環型のものづくり
太田商店の取り組みは、美味しさだけにとどまりません。加工の過程で出る鰻の骨は肥料として再利用され、梅農家の畑へと還されます。その畑で育った梅が、再び「紀州南高梅ひつまぶし」として戻ってくる——そんな循環が生まれています。また、規格外や傷のある梅も積極的に買い取り、加工品として価値化することで、農家の収入安定にも貢献。地域資源を無駄にしない、持続可能なものづくりを実践しています。
伝統食材に、新しい未来を
鰻の高騰やライフスタイルの変化により、鰻料理は「特別な日のごちそう」になりつつあります。だからこそ太田商店は、30〜50代を中心とした世代にも楽しんでもらえるよう、食べ方の提案やパッケージデザインにも工夫を凝らしました。迷信を覆し、鰻と梅を“仲直り”させたこの一杯は、伝統食材に新しい価値と未来を与える挑戦の結晶です。
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「鰻と梅」の常識を覆す、美食の逆転劇 90年の老舗が挑んだ「紀州南高梅ひつまぶし」
和歌山県田辺市の老舗・太田商店が、「鰻と梅は相性が悪い」という迷信を覆すために3年以上かけて開発したのが「紀州南高梅ひつまぶし」です。国産鰻の蒲焼に、自社で味付けした「かつお梅・こんぶ梅・しそ漬梅ピューレ」の3種の紀州南高梅を組み合わせ、丼・茶漬け・追い梅と段階的に味が変化する“ひつまぶし仕立て”にすることで、鰻の旨味と梅の酸味が調和する新しい食体験を実現しました。さらに、鰻の骨を肥料として梅栽培に活用するなど、地域資源を循環させる取り組みも行い、味と物語、持続可能性を兼ね備えた和歌山発の革新的な鰻料理として注目されています。
